ここでは消防設備とはどのような設備のことなのかを説明していく。
『消防法及び関係政令で規定する、「消防の用に供する設備、消防用水及び消火活動上必要な施設」の総称である。一般的に消火器などの消火設備、自動火災報知設備などの警報設備、避難はしごなどの避難設備に大別される。消防用設備は消防法により規定されたもので、その他に防火扉など建築基準法に規定された防災設備がある。この2つは関係法令が違うため、建築時に建築基準法と消防法及び市町村条例の整合性が問われることがあるが、建物の運用が始まると、防災設備として一括して管理されることが多い。』
と、Wikipediaにあるが、わかりにくいことこの上ない。
この「わかりにくさ」こそが、消防設備を単に建物を設置するための義務としてでしか認知されず、一般の人にとっては意味不明の設備でしかなく、建物の管理者でさえも使い方はおろか、なんのために設置されているかもわかっていないという現状を生んでいる。
この無知さがイコール必要性を無力化し、点検しなくてはならないのに放置されていたり、金がかかるという理由で改修しなくてはならない箇所がそのままになっていたりして、被害が起きてから事が大きくなる。
消防設備は万が一のときにしか使われないものであるが、その「万が一」のときに100%の性能を発揮できなくては意味がない。
たとえば感知器が設置されていない箇所、こわれた感知器が設置されている場所があったとして、そこで火災が発生しない理由はどこにもないのである。
感知器が正常に設置されていれば、火災を感知して警報がなる。(多くは非常ベル)
警報がなり、火災受信機に場所が表示される。
現場を確認し、本当に火災が発生していた場合、正常に消火器が設置されていれば、建物のどの場所においても歩行距離20メートル以内に消火器は必ずある。
そこで初期消火ができれば被害は最小限に留めることができる。
炎の勢いが強く、消火活動が困難であれば、即避難という行動にも移れる。
そのために消防法では建物の大きさや使用用途において設備を細かく制定し、点検義務を与えている。人がたくさんあつまるデパートや、体の不自由なひともいる病院や老人ホーム、旅館やホテル。実に様々だ。
そこから先はプロの仕事。そのために僕たちがいる。
そんなことまで知る必要もないが、自分の会社や勤務先、その他宿泊に利用する建物が絶対に完璧に設備を点検しているかどうか、万が一のときに性能を100%発揮し、ちゃんとした避難経路まで確保されているのかを知る術はない。
残念なことに建物ひとつに一人の防火管理者。
そこまでは法で定められているし、講習も必要とされているが、その人が理解しているかどうかを知る術はない。
自分の命や家族の身の安全を守るためにも知っていて損のないことであるのは間違いない。
そして認識の薄さや、普段使うものでないからといった無知さ。いい加減さ。これがどれほど重要か、少しでもたくさんの人に知ってもらいたいものである。
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